■シェーバーこと始め
あなたが毎朝使っているシェーバー(電気カミソリ)はいつ、だれ、が作ったのか知っていますか?

■グルンディッヒ 


グルンディッヒ社は1984年から1998年ころまでフィリップス社の傘下でした。 その間にいくつかのユニークなシェーバーを開発しています。ドイツ周辺を主な市場として販売していました。電気カミソリ(シェーバー)は、往復x網刃、回転xミゾ刃 というように、内刃の動き(往復とか回転など)と外刃の形状(網刃、みぞ刃など)を組み合わせて分類できます。 これらの現在我々が目にするシェーバーのシステムの原型は1930年代にほとんど存在していますが、唯一の例外が1990年代にグルンディッヒ社が開発したロルトロニック・プロ(Roltronic Pro)システムです。

往復網刃方式は優れたシステムですが、内刃は往復運動するため両端で必ず止まらなければなりません。 スピードゼロになる両端近辺の切断能力は低下するというシステム的な問題は避けられないことです。 ロルトロニック・プロ・システムはそれを解決するコンセプト。

ご覧のように外刃は網刃で、内刃の動きがユニークで、「止まらない往復運動」です。 内刃は円弧面に六角の孔状の刃が並んでいて孔の六辺に刃を持っています。 その動きは軸方向に往復しながら円弧面に沿って振り子運動しています。 真上から見ると円運動をしているように見えます。


言葉で説明が難しいので動画でお見せします。

上から見た動きでわかるように外刃の弧面に沿って円を描いて動いていますので、側面からは往復運動に見えます、が、止まりません。
ユニークな内刃の動きを可能にした振動子の仕組みです。



なお日本の服部セイコーが「ES-2000」というモデル名で国内販売していたことがあります。


電気シェーバーができてから90年ほどたとうとしていますが、 このようなユニークなシステムが消えてしまうのは惜しい気がします。