■シェーバーこと始め
あなたが毎朝使っているシェーバー(電気カミソリ)はいつ、だれ、が作ったのか知っていますか?

■ゼファー・シェーバー  Zephyr Shaver
ユニークな螺旋状の回転刃をもち、他のほとんどのシェーバーがシック・シェーバーの影響を受けて縦型のボディーのトップにシェービングヘッドを持っていたのに対し、横型のハウジングに横長の螺旋状回転刃をもった独自のシェーバーです。
それはちょうど安全カミソリと剃刀の関係に似ています。
・いつ発売されたか?
ボックスオフィス誌(boxoffice)という映画・興行・劇場関連の雑誌・1938年2月号・に関連記事あり、親会社のGTE社(General Theaters Equipment Corp)が映写機の新製品発売開始とともにZephyr Shaver によるシェーバービジネス参入を発表しています。
『GTE社(General Theaters Equipment Corp)は子会社のZephyr Shaver Corp から電気シェーバーを「発売した」。これはGTE社がモーションピクチャー事業にこだわることなく、事業領域を拡大する方針を示している』と伝えています。
また、このZephyrはフィリップス社のフィリシェーブを開発したホロビッツ氏が最初の試作品を作る際そのボディーを流用したことが知られています。
資料によればフィリップス社が1937年にサンプル購入、ホロビッツ氏もフィリシェーブのロータリーヘッドを1937年には開発していて1938年頃プロタイプとして制作したといわれています。
これらのことからZephyr Shaver は1937年には発売されていたと思われます。
・仕組みと構造
これは1938年のポピュラーサイエンス誌7月号に載ったZephyr社の広告です。
この広告でも分かるとおり、その回転刃の原理は現在の日立ロータリーシェーバーの原理です。
現代のシェーバーの刃の『原型』は、シックが電気シェーバーを発明してから10年の間にほとんどすべてが網羅されています。(ひとつだけ例外がありますが別の機会に・・・)
Zephyr のロータリーヘッドは4本の螺旋状の刃がスリットを持ったスリーブの中で回転する構造です。回転数は秒速250回転すなわち15000rpm 現在の基準でもかなり高速です。


当時のモーターの標準でスタート用のはずみホイールをもち、他の競合と違って回転刃なのでモーターの軸上に直接その螺旋刃がついていました。4本の螺旋刃は中空で根元に回転軸にはめ込み抜け防止のミゾがついています。
電源は当時の標準でACでもDCでも動きました、(110V〜120V AC or DC)

価格は当時の電気シェーバー標準の15ドル。当時の15ドルは貨幣価値の差200倍とすれば現在の300ドル相当になりますのでかなり高級品ということができます。
後年ハリウッドに移りましたが、1900年代初めニューヨークのブルックリン地区にヴィタグラフ社がスタジオを構えたのが米国映画産業の始まりといわれています。親会社のGTEの本業が映画産業だった関係でしょうかZephyr Shaver Corp.の住所はニューヨーク・ブルックリンのゴールドストリート92番地となっています。多くの競合がコネティカット州を本拠にしていたのに対しこの点もユニークです。
レミントンなどがLIFEやLOOKなど大判のグラフ誌に広告を出稿していたのに対しポピュラーサイエンス誌という選択もユニークで、新しい原理のシェーバーを強調しています。

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